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「テン・カヌー」 2006年 衣装が全裸という映画

映画
01 /12 2009
「テン・カヌー」(2006年オーストラリア ロルフ・デ・ヒーア監督)は、先住民アボリジニの生活や文化、伝承を描いた映画だ。

  IMDB Ten Canoes(2006) 
 
タイトルとなったカヌーはもちろん川や湖に浮かべて移動に使うものだが、彼らは木の皮をはぎとり、それを加工してカヌーを作っている。オーストラリアで、アボリジニの昔の姿をアボリジニの言葉だけで綴った映画は今まで作られたことがなく、公開当時、大変話題になったそうだ。

映画の中では、族長の妻のうちの一人が失踪する場面がある。村で寄り集まって、何が起こったのかと想像を膨らませていた。すると他の部落の男が村の近くいたので、彼が誘拐したに違いないと勝手に思い、背中から槍を投げてしまう。その槍が見事に命中して男は死んでしまった。そのうち、死体は他の部族により発見され、槍の持ち主に仕返しをしにやってくる。しかしその復讐がちゃんとルールに従って行われる。離れたところから犯人をめがけて槍を投げるというものだ。族長に槍があたったところで復讐の儀式は終わり、他の部落の男たちは満足そうに帰っていった。本来ならば悲惨な場面なのだろうが、映画のつくり方のせいか、むしろコミカルな感じすら伝わってくる内容だった。

さて、この映画の男たちの姿は、腰にまいた細い紐が一本だけだ。当然ながらそれで前が隠れるはずはない。そういえば、昔からアフリカやアマゾンなどの裸族が映画で登場する場合、不自然な腰布を身に着けているのが定石だったよね。それは撮影用に作られた腰布に見えるパンツに他ならない。ドキュメンタリーでない限り、裸族であっても全裸で演出することはなかった。しかしこの「テン・カヌー」は、映画の中の村の男たちは、子供から老人まで全員が素っ裸で、珍が丸見えだ。100年前のアボリジニを描くためには、その姿で出演することが必然だったということなのだろうか。その徹底振りには恐れ入った。

珍にまつわる話として、映画の中で、村人が他の部落の男と森の中で遭遇する場面がある。最初は見慣れぬ男をみて緊張が走るが、その場では大きなトラブルにはならずにやり過ごす。その男が異質に思えるのは、腰のところに前垂れがあることだ。村の男は、「珍を隠す奴は、小さくて人に見せられないのだ」と言って他部落の男を批判をしていた。男なら堂々を珍を見せるべきだろう。そう言っているようにも聞こえて、面白かった。
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